本日は当ブログ「むぎろぐ」をお読み頂きありがとうございます。
どうも、むぎ(@mugiblog)です。
ずっと憧れていた、HHKBのキーボード――
こうして記事を書いていると、自分の伝えたいことをできる限り表現したくなってしまって、ついつい長々と語ってしまうのが最近のちょっとした悩みです。
その悩みを解決するために、自分なりに考えた方法の1つが「自分なりにこだわって撮影した、使っている様子がイメージできる写真」なのですが、写真だとどうしても限界があるので、やっぱりある程度は文字も必要。
そうなると 1記事あたり大体 3,000〜5,000文字、MacBook のキーボードでパチパチと打ち込んでいくわけですが、キーストロークが浅く疲れづらい反面、音が耳障りに感じてしまうことや本体の熱で手が汗ばんできて打ちづらさを感じることがあります。
というわけで購入を検討していたのが、Bluetooth で接続できる外部キーボード。Amazon で検索すると安いものでは 1,000円台から購入できるわけですが、どうせなら見た目にも、使い勝手にもこだわりを感じられる製品を選びたい。
真っ先に思い浮かんだのが、おしゃれなブロガーや YouTuber が使用している「HHKB」のキーボード。
高いモデルだと 価格が3万円を超えてくるのですが「さすがにすぐには買えないし、せめて実際に使って試してみてから検討したい」と思いメーカーさんに声をかけるとありがたいことに最上位モデルをお借りすることができました。
HHKB「Professional HYBRID Type-S」について

そもそも HHKB って何? という人もいると思うので簡単に紹介しておきます。
HHKBというのは、富士通の子会社「PFU」が作っているプロフェッショナル向けのキーボード「Happy Hacking Keyboard」の略。
文章を書くプロの人にとって何よりも重要な「タイピング」の質にこだわったキーボードで、耐久性も高いので玄人が「ずっと愛用できる仕事道具」のような存在です。
アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。
馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。
東京大学 名誉教授 和田英一
その HHKB の最上位モデルが、今回紹介する「HYBRID Type-S 無刻印/白(英語配列)」。
無接点でタイピングできる「静電容量無接点方式」という方式を採用しているだけでなく「速く、静かにタイピングできる」キー構造を採用しているのが「HYBRID Type-S」というモデル。せっかくなのでデザインが最も好みな「無刻印」モデルをお借りしました。
モデル | 英語配列 | 無刻印 | 日本語配列 |
---|---|---|---|
型名 | PD-KB800BS PD-KB800WS | PD-KB800BNS PD-KB800WNS | PD-KB820BS PD-KB820WS |
カラー | 墨/白 | 墨/白 | 墨/白 |
インターフェイス | Bluetooth Ver4.2LE Class2、USB Type-C(ケーブルは付属しません) | ||
無線操作距離 | 最大10m | ||
カスタマイズ機能 | DIPスイッチ、キーマップ変更機能(Windowsのみ対応) | ||
キー数 | US配列60キー | JIS配列69キー | |
キー使用 | 静電容量無接点方式、キーストローク3.8mm、押下圧45g | ||
質量 | 540g(電池含まず) | 550g(電池含まず) | |
電源 | 単3形乾電池×2本、USBコネクターからの給電 | ||
動作時間 | アルカリ乾電池使用時の目安:約3カ月 | ||
サポートOS (Bluetooth接続) | Windows 8.1 / Windows 10、macOS 10.14以降、 Android 4.4以降、iOS 11.4以降、iPadOS 13.0以降 | Windows 8.1 / Windows 10、 macOS 10.15以降、 Android 4.4以降、iOS 11.4以降、 iPadOS 13.0以降 |
HHKB「Professional HYBRID Type-S 無刻印/白(英語配列)」のデザインをチェック

こちらが今回紹介する HHKB「Professional HYBRID Type-S 無刻印/白(英語配列)」。せっかくデザインにこだわりを感じる無刻印モデルを選んだわけですから、まずはそちらから確認していきましょう。

無刻印モデルはとにかくミニマル。キーの刻印がないので視覚的なノイズを一切感じません。僕は US配列の MacBook を使っていて、日本語配列と比較するとかなりミニマルだと感じていたのですが、それと比較してもその差は歴然。


カラーは「白」ですが、色味的にはグレーっぽいなと。ショートカットキーを使う場合などによく使うキーは色が違う仕様になっています。
個人的にこの色味はなんとなく「道具感」があってかなり好み。真っ白だと手垢で汚れが目立って手入れが大変だろうし、1ヶ月近く使っていますが特別な手入れをせずとも汚れが気になることなく使えています。



後面には電源と Bluetooth 接続兼用のボタン、単3乾電池の収納部分、USB Type-C ポート。内蔵のバッテリーではなく乾電池を使用しているのは「バッテリーよりも製品自体が長持ちするから」だそう。

側面はこんな感じで、すでに角度がついていますね。



底面。チルトの切れ替えで手首の角度を調整することができます(2段階で調整可能)。今のところリストレストなどの使用は考えていないので、僕はこの機能は使っていません(角度が付き過ぎるとかえって疲れる)。
HHKB「Professional HYBRID Type-S 無刻印/白(英語配列)」の初期設定や機能など
静電容量無接点方式と「Type-S」キー構造

打鍵感など実際に使ってみた感想などは後述するとして、このキーボードの優れた特徴の1つ「キー構造」について紹介しておきます。
今回紹介する製品に限らず、HHKB のキーボードは「静電容量無接点方式」と呼ばれるキー構造を採用しています。
スイッチを押すことで変化する静電容量を感知することによって入力できる仕組み。接点方式と比較して音が小さく、耐久性が高いという特徴があります。
さらに、今回紹介する「Type-S」は他のモデルと比べてさらにタイピングの「高速性」と「静音性」にこだわった製品。
他のモデルを触ったことがないので比較はできませんが、目的のキーを少し押し込んだだけで反応してくれるので速く打てますし(ストロークが深いので打ち間違いは少ない)、かなり静かなのは実感しています。
Mac(US配列)で使う場合の初期設定(英数・かな切り替えなど)
Mac(US配列)に接続してこのキーボードを使う場合には、ちょっとした設定が必要なので紹介しておきます。

キーボード底面の制御キーのカバーを開け、「2」番のつまみを上に上げておきましょう。これによって「スペース」キーの横のキーが「command」キーになり「delete」キーが「BackSpace」キーになります。
さらに便利に使いたい場合には、comand キーで「英数・かな」の切り替えができるように設定しておきましょう。僕は「Karabiner-Elements」というアプリを使って設定しました。詳しい設定の方法などを知りたい人は以下の記事がわかりやすかったので参考に。
Happy Hacking Keyboard キーマップ変更ツールがMac版に対応

2020年5月末現在、純正のキーマップ変更ツールは Windows版のみだったのですが、ついに Mac版に対応。これによってキーマップの変更が容易になりました。これによって先ほど紹介した「Karabiner-Elements」が不要となります。
とはいえ、comand キー単体で「英数・かな」の切り替えを行うのはこのアプリではできない(従来のcomandキーの用途が使えなくなってしまう)ので、別途以下のアプリを使うことをおすすめします。
これは余談ですが、ブログをやっていると「右側の画面を参考にしつつ、左側の画面で作業をする」といったこともあるわけで、僕は有料アプリ「BetterSnapTool」というアプリを使ってブラウザの幅を調整しています。

よく使うデフォルトのショートカットキーの割り当てだと HHKB の場合は押すキーが増えてしまうのでそこも少しだけ変更しました。
キー配列について。US配列の Mac を使っている人は慣れが必要かも

公式ページには「プログラマーが理想とするキー配列」と記載されているこのキーボードですが、Mac の US配列に慣れている人は少し注意が必要です。
「fn」や「option」キーの配列や矢印キーを入力するために「fn」キーを押す必要があるところなど、ショートカットキーでよく使うキーの配列や入力方法が異なるため、かなり慣れが必要だと感じました。
Windows を使っている人はキーマップを変更できるツールが純正で用意されているのでそちらを利用するか、Mac を使っている人は先ほど紹介した「Karabiner-Elements」などを利用して使いやすいようにキー配列をカスタマイズしておくといいかもしれません。
Bluetooth接続とUSB Type-C での接続に対応
僕の作業環境ではうまく試せていないのですが、これも便利な機能なので紹介。

このキーボードは Bluetooth で接続するデバイスをあらかじめ 4つまで登録することができます。つまり「外出先では MacBook や iPad と一緒に持ち運んで使い、自宅ではデスクトップPC に繋ぐ」といった使い方ができるわけです。
その度に Bluetooth の接続をデバイスごとに ON/OFF するのは面倒ですし、これなら複数のデバイスを使い分ける人には便利に使えそう。

また「有線接続の方が安心」という人や「Bluetoothの初期設定が面倒」といった人には USB Type-C ケーブルを使った接続にも対応しているところも嬉しいポイント(実際、初回の接続時には僕も有線で行ったが簡単だった)。
HHKB「Professional HYBRID Type-S」を1ヶ月ほど使ってみた感想とか
ようやくこの記事の本題。HHKB「Professional HYBRID Type-S」をお借りして1ヶ月近く使ってみたので、感想などを紹介しておこうかと。
外出先に持ち運べるコンパクトなサイズ感とおしゃれなデザイン

このキーボード、コンパクトなサイズ感のおかげで外に持ち出して使えます(時期的に問題がありそうなので一応断っておくと、この写真はカフェで撮影しているけど僕以外誰もいない日に撮影しています。)
というのもこの製品、重さ 540mg とペットボトル1本分の重さでかつ 13インチの MacBook Pro の半分以下という大きさなので、カバンの中に入れて持ち運ぶことも可能。
デザイン的にも無機質でおしゃれなので MacBook と一緒にカフェに持ち出してもそれほど違和感はないはず(逆に目立ちそうな気もする)。
無線でも大丈夫?接続性や遅延について

僕がこのキーボードを使っている環境に関して言えば、今のところ接続性や遅延については支障を感じていません。
初回の接続時のみケーブルで接続しましたが、その後は一度も使っていませんし、PC を起動して、本体の電源を入れればすぐに接続してくれるのも嬉しい。
また、5,000文字を超えるようなブログ記事を書いていても一切遅延は感じません。FPS とかのゲームをやるような人で、遅延が致命的になるような人でなければまず問題ないレベルかと(そもそもこのレベルを求める人は本製品は選択肢にも入らないはず)。
この打鍵感が癖になる。静電容量無接点方式のキーボードは疲れづらく、心地よい

このキーボードを使っていて一番感動したのがこれ。このキーボード打鍵感がすごく心地よいんですよね。
キーストロークが深いと押すのに力が必要なイメージでしたが、そこは静電容量無接点方式。ストロークが浅い MacBook のキーボードよりも明らかに指や手首への負担が少なくなったように感じます。
また、「スコスコスコ...」といった耳障りの良い音でタイピングできるのも作業に集中できて最高。いわゆる高級キーボードを使うのは初めての経験ですが「キーボード1つでここまで作業効率やモチベーションが変わるのか」と感動しました。
キー配列に慣れるのには時間が必要。US配列や無刻印モデルは慣れた人が使うべき

機能を紹介するときにも触れましたが、このキーボードがプロフェッショナル向けだと謳っているのには特殊なキー配列にあると思います。
ある程度慣れてくると自然に感じるようになると思うのですが、毎日このキーボードを使っているわけではないのでまだまだ違和感があるのが現状。

上の画像が「HYBRID Type-S」のキー配列。MacのUS配列と比較すると「fn」キーや「shift」キーの配列が異なっているのが分かると思います。

特に僕が気になったところが、矢印キー。このキーボードは矢印キーを入力するときに「fn」キーを押さなければなりません(具体的な例を挙げると「下矢印」を入力したいときには「/」+「fn」を押す必要がある)。
ブログを書いていると結構頻繁に使うキーなので、個人的にはかなりのマイナスポイント。慣れれば問題なさそうな気もするのですが、もうしばらく使ってみて最終的に購入するかどうかを検討したいです。
また、無刻印モデルを選んだのもその理由の1つ。「@」や「%」など、たまに使うようなキーだとどのキーを押せばよいのかわからなくなってしまうこともしばしば(文字入力だけなら意外とすぐに慣れる)。
タイピングに自身がない人は日本語配列のモデルや刻印があるものを選ぶことをおすすめします。
HHKB「Professional HYBRID Type-S」についてのまとめ。キー配列にクセはあるけど所有欲を満たしてくれる、孤高のキーボード

というわけで株式会社PFU さんよりお借りしているプロフェッショナル向けキーボード「Professional HYBRID Type-S」を紹介してみました。
3万円を超える高級キーボードということで「なかなか手が出ない」という人も多いように思いますが、高いキーボードにはそれなりの理由があります。
無刻印モデルが選べるミニマルなデザインも魅力の1つですが、このキーボードの最大の特徴はやっぱり打鍵感。長時間のタイピングが苦にならず、むしろ「心地よい」と感じるようになりました(この記事はすべてこのキーボードで執筆したけど本当に疲れづらい)。
難点があるとすれば少し特殊なキー配列ですが、逆に言えば「このキーボードを使いこなしている俺、ちょっとかっこいいはず」的なモチベーションで挑めば乗り越えることができそうな気もしています(何言ってるのかわからなくなってきました)。
決して安い製品ではありませんが「この打鍵感になら3万円払ってもいいかも」と感じてしまったので、お借りしている製品の返却後どうしようかと迷っているところ。
「ずっと気になっていたけど、ちょっと高いよなぁ」という人は都会に住んでいる人はタッチ&トライできる店舗も存在するのでそちらで試してみるか、時期的に外出するのが難しいと思うので、製品ページを覗いてみることをおすすめします。